Chapter 6

変わりゆく制作スタイルの違い(1/3)

上とか下とか、もう古い

もし、限られたリソースの中で最大限いい制作物をつくりたいと思うなら、
ぜひ、クリエイティブに参加してください。

確かに制作会社はクリエイティブのプロです。
ですが、クライアントの商品や市場、
会社の強み・弱みについて熟知しているのは、
どこまでいってもクライアントだと思います。

「任せれば何もしなくても、いいものができ上がる」
「お金を払っているんだから、良いものができて当然」
という考え方は、うまくいかない可能性が高いでしょう。

バブルがはじける前は、
広告宣伝にお金をかけることも多く、
納得いくまでつくり込むことが往々にしてありました。
制作側が出した案に対して、クライアントが批評する。
別の案を提案する、批評する。
提案、批評……。
この繰り返しで案をつめていくのです。
これでは制作に多大な時間と工数がかかります。

バブル後は、広告宣伝にお金も時間もかけられなくなりました。
このような状況の中で、より良いものをつくるために、
クライアントも制作側と目的達成に向けて協力していくことが
必要になっています。

両社が目的達成というゴールに向けた意見を積み重ねることで、
効率的にゴールに向かうことができます。
さらに、でき上がったものに対して、
「自分も参加して、一緒につくった」という感覚が強く残ることで
ツールの活用度合いが変わってくるでしょう。

ある部分はプロに任せることも必要ですが、
ふとしたアイデアや、ちょっとした意見が
制作物のレベルをワンランクアップさせるということも
ぜひ心に留めておいていただきたいと思います。

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