Chapter 5

かっこいい=効果があるとは限らない(2/3)

中身のある制作物にはコクがある

デザイナーやコピーライターといったクリエイターが持つ技術は、
コミュニケーションの技術でもあります。
伝えたい内容を伝えたいイメージにしたり、
伝えたい内容を共感できる言葉にしたり。
クライアントが伝えたいことと、
ターゲットが受け取るメッセージにズレがないように
内容を整理し、最適化していくという専門技術です。

この技術を新入社員に身につけてもらうため、
しつこく言っているのは、
自分がどうしたいのか、人が見て分かるものにすることです。
制作業のクリエイティブは、
お客様の意図をくみ取り、理解して、自分なりに見出した答えを表現しています。
結局は、自分がどうしたいのかが表に現れていないといけないのです。

かわいいもの、かっこいいもの、おしゃれなものなど、
ベクトルの方向は360°あります。
どうしたいという意思を表現しているかがベクトルの強さだとすれば、
どの方向だろうが強くなければ人に届きません。

正しいけれど無味無臭のものは、人の心を動かしませんし、
見る人もどうしていいのか分からなくなってしまいます。

「何」を「どう」伝えるかが練られた制作物は、
見る側にはっきりとしたインパクトを与えます。
この、何をどう伝えるかを練ったものが「企画」です。
制作物の強さは、
企画×デザイン×コピーという3要素の総合力で決まります。

ここで、突然ですが、制作物をラーメンに例えてみましょう。
これまで食べてきたラーメンを思い出してみてください。
何杯も食べたラーメンの中でも、
記憶に残るもの、残らないものがあると思います。
記憶に残るおいしいラーメンには、深みやコクがありますよね。
そのコクの正体は、店のおいしさへのこだわりだったりします。

制作物も同じで、考え抜いた企画、デザイン、コピーには、
制作物のコクがにじみ出て、
見る人の印象に残ることになるのです。

NEXT