Chapter 4

第4章 ツールづくりは社内に新風を吹かせるチャンス(2/3)

意見は意外とある

街中のスーパーによくある、 母の日・父の日に合わせて掲示される子どもたちの絵、ありますよね。
絵を描く楽しさや、色を塗るという行為に夢中になっているものなど、
子どもならではのパワーがにじみ出ているものも見受けられます。

大人に真似できない子どもの創造力ですが、
最近では「何でも自由に描いていいよ」というと、
困る子どもがいるそうです。
そこで、「木」「りんご」「お姫さま」など、
テーマを与えると、そのテーマに沿って自由に描いてくれるといいます。

上記の例とはちょっと違うかもしれませんが、
大人も似ているところがあります。
0から1にすることは苦手でも、
1に対して3言うことはできるのではないでしょうか。

一見、社内から意見が出にくいとしても、
社員の方は意外と考えをお持ちです。
要は、引き出し方なのです。

たとえば、社内で会社ホームページを制作しているとします。
サイト制作担当者が、営業の方に
「何か希望はある?」と聞くだけなのと、
進んでいるデザイン画面を見せて「どう?」と聞くのでは
返ってくる答えも内容もまったく違うでしょう。

漠然と「希望はある?」と聞かれても、
何となく思いつく範囲でしか答えられないかもしれません。
これが、ある程度見える化されたベースがあれば、
「もう少しこうしたらいいのでは……」
という考えが出てきやすくなるものです。

比較対象があると、自分の考えが見えてきます。
基準となる「1」をつくるのが、クリエイターです。
そこから、3なり、5なり、10なりを
お客様とともに引き出し、アイデアを積み上げていくことで、
中身も見た目も良い制作物ができ上がります。
一人ひとりの貴重な意見、大切に扱いましょう。

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